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高度救命救急センター

更新日:7月24日

 2021年高度救命救急センターに指定されました。

 救急医療の特徴は、幅広い年齢層の患者さんが様々な疾患や症状を呈した状態で来られることです。情報が乏しく重症度の判別が困難な場合もありますが、いち早く患者さんの状態を把握し、治療を行わなければなりません。

 その中でも救命救急センターに入院する患者は、緊急性が高く重症であるため集中治療管理や手術が必要な場合も多く、迅速な医療提供を行うためには円滑な多職種連携・チーム医療が不可欠であると言われています。

 FNPの役割は、

 ①診察・医療面接 

 ②初期対応 

 ③医師の直接指示下での各種検査・医療行為の実施・手術助手 

 ④各診療科へのコンサルテーション

 ⑤患者・家族への病状説明

 ⑥退院・転院調整

 ⑦看護師教育

 ⑧カルテ代行入力 など

多岐に渡り、医師・看護師・コメディカルと密に関連し、チーム医療の中心となることが求められます。

 当院の救命救急センターは、ER・救命ICU・災害外傷センター・GICU・CCU・NCUで構成されています。その中でも救命センターFNPが所属する以下のセクション及びER、救急総合内科(GIMチーム)について御紹介したいと思います。(なお、CCUについては循環器内科で勤務するFNPが別項で御紹介いたします。)


■ER(Emergency Room, 救急外来)

 当院の救命救急センターは24時間365日稼働しており、一次(軽症)から三次(最重症)まで様々な患者さんの受け入れを行っています。また、2020年度救急診療件数は約23,688人で、救急車受け入れ台数数はCOVID-19の影響で減少し8,693台でした。

 ERでは救急隊からの受け入れ要請に対する電話応対に始まり【写真①】、救急総合内科のベテラン指導医の下、問診・診察・画像検査・採血検査・家族の方からの情報収集などを行い【写真②】、アセスメント(結果の解釈)に結び付け、医師の直接指示により看護師の特定行為をはじめとする医行為を実施し、患者に迅速な医療提供を行います。

 また、最終的に入院または帰宅などの方針も相談のもと決定していきます。FNPが主となり患者の受け入れから方針決定まで一貫して受け持つことができ、救急専門医である指導医からの指導やフィードバックも得られるため、日々精進できます。

【写真①】

ホットライン対応

救急隊からの救急患者さん受け入れ要請専用電話回線(ホットライン)に対応することもあります。

最低限必要な情報を漏れなく簡潔に得るよう心がけています。





【写真②】

ERでの診療風景

受け入れた患者さんに対して初期診療を行います。FNPの実習生とともに診療に当たっている様子です。













■救急科(救急整形外傷担当) 

 四肢骨盤外傷、多発外傷における急性期治療(脊椎・四肢再接着を除く)を行っております。特に多発外傷症例においては、救命ICU、災害・外傷外科と協力して患者さんの治療に当たっています。

 手術においては、FNPが第1助手あるいは第2助手として参加します【写真③】。病棟管理においては、日々の病棟回診、処置、カルテ記載などほぼすべてをチームの医師と協働しており、チームの医師からは「FNPは医師と同等に働き」と高い評価を受けております。

 高齢者の患者が多く、併存症(受傷時にすでにあった疾患)、認知症・せん妄をはじめとした内科的管理を要するため、常に1名の救急総合内科医師が診療チームに参加しており、外傷から内科管理まで多くのことが学べます。また、ベッドに臥床している期間が1日のびるごとに歩行能再獲得まで3日延びると言われる通り、骨折においても術前・術後を問わず早期のリハビリ介入が必要ですので、その調整も行っています。さらに、看護師からのファーストコールは主にFNPが担っており、多忙な医師に代わって、"相談しやすい存在"であるよう努めております。

【写真③】

手術助手

大腿骨転子部骨折に対する骨接合術に第1助手として参加








■救急科(多発外傷担当)

 災害・外傷外科は救命救急センターの中でも、とくに多発外傷、広範囲熱傷、急性中毒などの複数診療科領域にわたる患者さんが多い科です。また、各科との交流も多く、医師と患者さんのトータルマネジメントを共有し、診断・初期治療の優先順位、手術時期の判断、Damage Controlをはじめとした治療戦略、術後の管理などを学ぶことができます。

 医師の指導の下、創傷・熱傷処置、電気メスを使用したデブリードマン、胸腔ドレーンの挿入、手術助手、ERにおける開胸心臓マッサージの施行、縫合、各種ドレーン抜去などといった医行為も行うことができます。近年では医師・看護師・ドライバー(運転手)と共にラピッドカーに同乗し、病院前救護での迅速な医療介入を行う一助としてFNPが活躍しています。


【写真④】

ラピッドカー同乗

医師、看護師と共にラピッドカーで重症患者さんのもとに駆け付け救命処置を行います。

プレホスピタル(病院前救護)の現場では、医師、看護師のみならず、救急救命士との連携が重要です。なお、2020年度のラピッドカー出動件数は260件でした。









【写真⑤】ラピッドカー出動先での現場活動の様子


■GIM(General Internal Medicine)チーム


救急総合内科病棟の患者さんを3つのグループに分け、FNPはその1つに属し医師と共に入院患者さんの状態把握、身体診察を行っています【写真⑥】。

 超高齢化社会の中、どこかひとつの診療科では診療を完結することが難しい複合的内科疾患の患者さんを担当しています。全人的医療を提供するため詳細なフィジカルアセスメント(身体所見)・検査データ・画像の適切な解釈が必要となってきます。それらを駆使し、包括的に治療介入を行い、個々の患者さんの社会的背景を踏まえた適切な薬剤整理(ポリファーマシー対策)や退院支援調整含め、多職種と協力して患者さんが退院後も適切に療養が続けられるようマネジメントしていきます。

【写真⑥】病棟回診の様子

















■救命ICU(Emergency Intensive Care Unit)

 朝の他科との合同カンファレンス終了後、救命ICUの医師と共にベッドサイドカンファレンスを行います。FNPは担当患者のプレゼンテーションを実施し、治療方針を医師・FNP・看護師・薬剤師などとディスカッションします。

 実施する処置として多いのは、シャーロック3CG®(BD社製)を使用したPICC挿入【写真⑦】、エコーガイド下での動脈ライン確保、中心静脈ラインの抜去・各種ドレーン抜去などです。またすぐに実施できる検査として、ベッドサイドにてPoint-of-care 超 音 波(Point-of-care ultrasound:POCUS)を行い、超音波診断装置を用いて心機能・ボリューム評価(体液量の評価)・肺エコーなどといった、リアルタイムな情報を医師と共に共有したり、喀痰・尿・膿などを検体としたグラム染色を行い、通常48時間を要する各種培養検査の結果を待たずに、抗菌薬の選択に役立つ情報を得ることも可能です。

【写真⑦】PICC挿入の様子

  FNPのPICCインストラクターが1年目FNPに指導中です。


《チームの医師よりひとこと》

救急科(多発外傷担当)

 当科は多発外傷の診断や管理だけでなく、それに加えてドクターカーによる病院前救護や災害医療にと多岐にわたり救急医療に携わっています。診療看護師はこれらに対応できる知識・技術を持つことにより、質の高い医療を提供しております。

(高度救命救急センター長/救急科 教授 船曵知弘)





救急科(救急整形外傷担当)   

「外傷患者の最初から最後まで」

救急科は大腿骨近位部骨折、骨盤骨折、ならびに多発外傷に伴う骨折や外傷を扱う診療科です。現在、FNPの固定メンバー3名が我々のチームに在籍しております。

 大腿骨近位部骨折手術は年間約200件、骨盤骨折手術も年間50件以上行っており骨盤骨折手術件数は東海地区でもトップクラスです.

 整形外傷患者のERでの初療から、術前検査、服用薬の整理、社会的背景の調査まで多岐にわたる介入、チーム内の総合救急内科医との協力のもと,入院管理、心エコーなどの術前精査、他科コンサルテーション、手術麻酔から手術助手、器械出し(直接介助)、術後管理から転院調整に至る「外傷患者の最初から最後まで」のすべての過程に関わっていただいております。

 現在ドイツを中心とするヨーロッパの外傷センターにおいては整形外傷医と病棟管理内科医師がチームを組んで整形外傷治療を行っていますがまさにその中間の役割を担っていただけることを期待しております.今後急速に進行する高齢化に伴い救急部門における整形外傷治療チームのニーズはますます高まることが予想されますので皆さんの参加を是非お待ちしております。(救急科 准教授 吉田昌弘)


救急総合内科病棟(GIMチーム)

「医師・患者双方の負担軽減につながっています」

 当科には総合内科病棟、救急外来、救命ICUという舞台がありますが、いずれも共通するのは急性期ということです。急性期の舞台では素早い決断や対応、処置を要する患者が多く、医師の手が足りなかったり、看護師だけでは対応できなかったりという状況がよく発生します。たとえば、救急外来ではFNPが医師とともに救急患者の初期対応にあたることで、医師の負担軽減とともにFNPの臨床能力の向上につながっています。救命ICUでは、末梢ラインが取れない患者に中心静脈カテーテルを入れる代わりに、FNPによるPICCで対応することで患者と医師両者の負担軽減になっています。他にもAライン(持続的動脈圧測定のための留置針)、末梢静脈カテーテルの確保、中心静脈カテーテルの抜去などもFNPが行うことで医師の負担軽減になり、医師は診察や臨床的な判断にもっと時間を割くことが可能となっています。処置以外でも、検査や処方の入力、カルテ記載を医師とともに行うことで、FNPもチームの一員として診療に参加することができ、臨床能力が向上しているのではないかと思います。(救急総合内科 新垣大智)


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