心臓血管外科

 心臓血管外科では、2017年度より2名のFNPが配属されました。11名の医師と共に年間約400例の心臓大血管手術(虚血性心疾患、弁膜症、大血管疾患など)と約150例の末梢血管手術を行っています。当院は大学病院であるため、複合疾患を抱えたハイリスク症例や緊急手術にも対応しており、術前・術中・術後と気の抜けない緻密な周術期管理が必要となります。そのような中で、心臓血管外科チームの一員として、1名は主に外来と病棟管理を、もう1名は手術室とICU管理を行っています。

 外来では、主に術前患者さんの診療のサポートを行い医師と共に患者さんの情報を共有し、手術予定に合わせたスケジュールをマネージメントします。具体的には、術前サマリーの作成、必要な術前検査のオーダーおよび結果確認、他科へのコンサルト、術前中止薬の指示や入院日の調整などを医師に代わり行っています。(写真1)

【写真1】

外来で医師の代わりに術前のスケジュールをマネージメントしています。






 病棟では、医師や看護師と共にカンファレンスや回診を行い治療方針などの情報共有を行いながら治療介入しています。医師に代わり術後の創部管理、ドレーン抜去、PICC挿入、気切カニューレ交換なども行います。また医師不在時には、医師と連携をとりながら初期対応を行うことで患者さんを待たせることなくタイムリーな治療介入が可能となります。(写真2、3)

【写真2】

病棟で医師や看護師とカンファレンスを行いながらNPの視点で患者管理を行っています。






【写真3】

医師の代わりに処置(ペーシングワイヤーの抜去)を行っています。






 手術室では、手術助手として参加しており開胸・閉胸の第一助手や、大伏在静脈の採取、大腿動静脈の露出なども行っています。また手術中は、術野のみならず術者の動きや手術室看護師の準備状況、患者さんの状態など全体を把握しながら手術が円滑に進むよう努めています。(写真4)

【写真4】

手術室で助手として参加し、大伏在静脈の採取を行っています。






 このようにFNPは入院から退院まで継続して患者さんに関わることができるため、心臓血管外科チームにとってなくてはならない存在となっています。これからも、患者さんや家族に安心感を与えられ、安全で質の高い医療が提供できるよう取り組んでいきます。


《チームの医師よりひとこと》

 2011年に始まった大学院型特定行為研修の立ち上げより、早くも10年近くが経過しました。現在、卒業生は50名で藤田医科大学病院にFNPとして20名在職しております。当初よりFNPの教育と実際の診療に関わらせていただき、FNPが所属している診療科が徐々に増えてきていることや多くの医行為に関わっていることを大変喜ばしく思います。当科には2名の大学院卒後のFNP1期生が在職しております。彼らが大学院に入学して現在まですでに8年が経過し、2名ともすでにベテランの域に達していると思いますし、多くの後輩FNPのロールモデルにもなっていると思います。彼らには、外来、病棟、ICU、HCU、手術室と当科の関わる全ての病棟で、医師の指示下ではありますが医行為を行っていただいております。私が北米で診療をしているときに一緒に働いていたPA(日本のNPとほぼ同じ)の仕事内容を思い出しながら、少しでもそこに近づくことを目標に掲げております。欧米では、中間職種はレジデントと同等の労働力であるとされておりますが、当科でもそれに近い働きをしているのではないとかと思っております。しかしながら、安全面に関しては医師もしっかり注意をはらい、FNP自身にも意識をしてもらっています。医師の働き方改革が急務となり、特定行為研修修了者の役割は今後さらに大きくなってくると思います。当科でもFNP増員が必要ですが、今後さらに多くの診療科でも必要とされると思います。(心臓血管外科 主任教授 高木 靖)